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Works

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ピアノのためのメヌエット・フロム・「ビー・イー・エー・・・」作品 1

21世紀が幕を開けた2001年、22歳の時に作曲。「ビー・イー・エー」というのはむろん音名(シ・ミ・ラ)であるが、当時、吉松隆のサウンドやラヴェルのコード進行、アイデア等を学んでいたことから、英語の"beauty"(美)、フランス語の"beaucoup"("mersi beaucoup"で"thank you very much"の意味)の頭3文字から始めて現代的なメヌエットを、という試みだった。2015年7月に初演。

弦楽四重奏のためのメヌエット・フロム・「ビー・イー・エー・・・」作品 1a

2014年10月、弦楽四重奏版の可能性を打診され編曲、同年12月17日ヒビキミュージックサロンリーヴズクリスマスコンサートにて初演、私のデビュー作となった。

弦楽セレナーデ 作品 2a《弦楽五重奏版》

本作品のタイトル「弦楽セレナーデ」は、古典的なこのスタイルを、現代においてポップなリズムやコードで展開しようという意味合いを込めたものであり、現在の私の作曲姿勢の原点ともなった作品である。(2010年)
 第1楽章:アレグロ
 短い序奏付きの疑似ソナチネ形式。モーダルなコード進行を基調として疾走するアレグロ楽章。

 第2楽章:アダージョ
 ノスタルジックな小さい緩徐楽章。過去に「ギター・ソナタ」のためと用意した楽想を転用して
 いる。

 第3楽章:メヌエット
 ラヴェル風のコード進行と吉松隆流の変拍子を取り入れたメランコリックなメヌエット。
 将来的に弦楽版として完成させることを含んで完成させていた「ピアノのためのムニュエ・ノス
 タルジック」(2006年)を編曲したもの。

 第4楽章:フィナーレ
 第1楽章・第2楽章のエコーとしての終曲。

ピアノのためのムニュエ・ノスタルジック 作品 2a/n

私はメヌエットが好きで、いずれ多楽章形式の作品の第3楽章に使おうとの考えのもと、2006年にピアノ曲としてひとまず完成させたのがこのメヌエットである。2010年に「弦楽セレナーデ」の第3楽章として編曲され、その目的は果たされたが、この版もappendix nostalgique(ノスタルジックな付録)という意味で作品2a/nと付番され、アルバムの収録曲にも見出されることとなった。(2006年)

ピアノ協奏曲「フェアリーズ・ソング」作品 3a

「妖精が夢の園に美しく舞い、可憐に歌う」というイメージをもとにしたピアノ協奏曲をと、2010年10月から本作の構想を始め、2013年3月にピアノ七重奏版を完成。
 第1楽章:ソング
 妖精たちはやがて集まり、夢の歌を紡ぐ。疑似ソナチネ形式。

 第2楽章:ガーデン
 妖精たちはしばし夢の庭に佇む。

 第3楽章:エア
 妖精たちは夢の空へと去っていく。

ソプラノと弦楽四重奏のための「シンギング・イズ・・・」 作品 4《フルート版》

「ピアノ協奏曲」完成後の2013年3月から10月にかけて作曲。元来、器楽志向の私には声楽のサウンドを想像することが難しく、手探りでの初チャレンジであったが、「声楽と弦楽を協奏させる」という目的は達せられたように思う。アルバムにはソリストにフルートを迎えた版で収録されている。

ヴァイオリン・ソナタ「スプリング・シーンズ」 作品 5

2014年5月、私はこのころヴァイオリンとピアノのデュオコンサートをよく聴きに行っており、ヴァイオリン・ソナタの作曲に関心を持つようになっていた。そこで「春の風景によせる助奏ヴァイオリン付きピアノソナタ」というコンセプトにて作曲を開始、同年8月に完成。
 第1楽章:スプリング・ストーム
 春の嵐の日によせる前奏曲。

 第2楽章:スプリング・レイン
 春の雨の日によせる間奏曲。

 第3楽章:フィナーレ:クリア・スプリング
 晴れた春の日によせるフィナーレ。

ピアノ三重奏のための「クリスタル・モーメント」 作品 6

2014年夏、神戸のとあるガラス張りの幻想的なホールに魅せられた私は、このホールの響きを想定した室内楽の小品をと、同年12月にピアノ・トリオのスコアを完成させた。タイトル「クリスタル・モーメント」にはガラス越しに光が射し込んだときのような、水晶のような美しい空間と時間、といった意味がある。

ピアノ三重奏のための「クリスタル・プリズム」 作品7

前作「ピアノ三重奏のための『クリスタル・モーメント』」初演ののち、この作品の続編をと計画し、2015年9月に完成、同年10月初演。タイトル「クリスタル・プリズム」は、初演会場である神戸のガラス張りの小さなホールに明るい光が射し込んだとき、虹が現れるように、美しい風景を映し出す分光器、といったイメージから付けられた。

弦楽四重奏のための「オータム・リーヴズ」 作品8

映画のワンシーンのような、秋に落ち葉舞う風景によせて、サウンドトラックの1曲のような弦楽四重奏の小品を制作しようと2015年初頭から構想を始め、同年11月に完成。

ピアノ三重奏のための「クリスタル・スコープ」 作品9

ピアノ・トリオによる「クリスタル三部作」の完結編として2015年夏ごろから構想をスタート。同年10月の前作「クリスタル・プリズム」初演の後に本格的にスコアリングを進め、同年11月に完成。2016年1月に初演の予定。タイトル「クリスタル・スコープ」とは、私自身のこの一年を美しいグラスのスコープ(見る器械)で眺めるように追想するといった意味となっている。

チェロ・ソナタ「ポートレート・オブ・プレーヤー」作品10

タイトル「ポートレート・オブ・プレーヤー」とはチェロに不乱に取り組む女性演奏家の肖像、というコンセプトを指しており、3楽章からなる。

 第1楽章「冬の肖像」
 彼女は寒い冬の日にもチェロを弾く。疑似ソナチネ形式。

 第2楽章「夏の肖像」
 彼女は日射し厳しく暑い夏の日にもチェロに取り組む。

 第3楽章「冬の肖像再び」
 再び冬、彼女の人生はチェロと共にある。

2015年夏、ラフマニノフのチェロ・ソナタに感動し、私もチェロとピアノのための曲を書き上げようと思い立ち作曲を開始。2016年春にはソナタに仕上げようと方向性を定め、同年8月に完成。2017年4月に初演の予定。

ピアノのための「CとFのメヌエット」作品11

2016年12月7日開催の自作展のための新曲として制作。「メヌエット三部作」の完結編でもあるこの曲のタイトル「CとF」とは、Cmaj7とFmaj7のコードを基調として進行することを示している。二つのメジャーセブンスコードの行き来に、作品1からの15年への感傷を込めた作品である。

ヴィオラ協奏曲「シルエット・オブ・プレーヤー」 作品12

「シルエット・オブ・プレーヤー」とは女性演奏家の輪郭、というコンセプトを指しており、ストイックなヴィオリストの一日を以下の3楽章で表現しようとしたものである。

 第1楽章「夜明けのシルエット」
 夜が明け、ヴィオリストの一日が始まる。様々なパッセージが彼女に
 よって紡がれていく前奏曲。

 第2楽章「日の光のシルエット」
 光射す眩しい昼間、彼女はゆっくりと、しかししっかりとヴィオラを
 奏でている。恋の甘酸っぱい思い出も交えながら・・・。

 第3楽章 フィナーレ「日暮れのシルエット」
 やがて日は暮れていくが、彼女のヴィオリストとしての一日は明日も
 来る。その希望をたたえたロンド風フィナーレ。

2015年にヴァイオリン・ソナタ「スプリング・シーンズ」を、2017年にはチェロ・ソナタ「ポートレート・オブ・プレーヤー」を発表し、当初は次はヴィオラ・ソナタを、と考えていた。しかし以前から構想していたオーケストラ作品の完成・発表への希望もあり、ヴィオラ協奏曲を作曲することに予定を変更。構想中だった序曲「エンジェルズ・ノート」(天使の音符)を解体してスコアにちりばめつつ、2017年末に完成。2018年9月12日に悲願のオーケストラ公演にて初演。

ピアノ三重奏のための「クリスタル・ジュエル」 作品13

「クリスタル・シリーズ」の第4作として2018年春から夏にかけて作曲。従来からの「愛しく、切なく、美しく」をモットーに、美貌の女性とその身に着けた輝くガラスのネックレスによせるというコンセプトにて制作。2019年初演の予定。

無伴奏チェロのための「オータム・レイン」 作品14

無伴奏チェロのための「スプリング・レイン」op.5c(2014/2016)初演者の北口大輔氏から「ぜひ無伴奏曲をもう一つ」と提案を受けて、ヴィオラ協奏曲初演後の2018年秋に作曲。「オータム・レイン」とは雨が静かに降り続く窓辺で穏やかに過去を回想する音楽家(=作曲者自身)のイメージを示したものであり、「スプリング・レイン」と対をなす作品でもある。


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